夏のお伽話

暑い暑い日曜日のきのうの…まるでおとぎ話のような出来事です。
明治、大正期の文豪、徳富蘆花が半生を過ごした住まいが公園になった、千歳烏山にある蘆花公園。
きのうはそこの150周年記念という事で、フルートの畠山みつこさんのお誘いを頂いて、昼間の祭典でのコンサートに出演するべく、朝の電車に乗った。
普段行きなれない場所なので、前夜から路線を調べてスマホにしっかり保存。
恥ずかしながら、私は半端ない程のひどい方向音痴なので念入りに。…ところが、である。
副都心線に乗って、さて乗り換えはどこだっけ…。アレッ!ケイタイが無い!
朝早くてバタバタ家を出たとき充電したまま忘れて来たんだ!!絶体絶命…。
恥を忍んで、座って本を読んでいた男性に「スミマセン…千歳烏山行くにはどこで乗り換えるんでしたっけ」と聞く。
「渋谷で降りて井の頭線で明大前、そこから京王線です」えっ!確か一回何処か東中野?かなんかで一度乗り換えたら一本だったはず…。「いえ、僕は毎日そこ通ってるんで間違いありません。一回乗り換えは無いと思いますよ。」
マジですか…、わぁ間に合わない。しかも道分からない…。きっと酷く狼狽していたのだと思う。
その男性は「同じ方向なので良ければ一緒に行きますか?」わぁ、地獄で仏!よろしくお願いします。分かり辛く凄い混雑の渋谷駅構内をスッスッと迷わず歩かれる。井の頭線に無事乗り込み、明大前到着。京王線に乗り換え。
ホームに電車。「急行は止まらないから、これは乗っちゃ駄目です。」そっか、一人だったら乗ってしまってたな…ってか一人だったらここまで付くのにあと20分は確実に掛かっていただろうな。
各駅を待つホーム、風が気持ちいい。どこで生まれたとか、どこに住んで居るとか、音楽の話とかの中に、驚いたのは、その方は今、私が住んで居る〇〇駅のすぐの散髪屋さんに行った帰りだと言う!
そして帰りは、私が降りる千歳烏山のちょっと先だという!!何という偶然!何という不思議!
こんな事、普通絶対、有り得ないと思う。
あ、千歳烏山。着いちゃった〜〜!しかも集合時間より10分も早く!
なんだか現実の世界じゃないみたいな1時間だったな…。ケイタイ忘れてヨカッタな(笑)。
今時珍しく、車内で本を読んでいた方…電車でケイタイいじるの嫌いなんですよ、って。
エスカレーターで私を先に乗せてくれて左に立っていたので、もし歩かれるんでしたら、私もいつも右歩いちゃうんで、というと、あ、そうですか。ぼくもいつもそうしちゃうんで、じゃぁ、と右を歩かれる、という気配りの繊細さ。
降りる時、お礼にCDをプレゼントさせてもらった。いつかライブに来てくれたらいいな…。