母のこと

母が天国に旅立ってしまって、一ヶ月が過ぎた。
息をするのも苦しい毎日…。自分がこの世にまだ何年も存在していなければいけないのが苦しい。
あまりの淋しさに、ふっとよからぬ事を思っている自分にはっとする。
無条件に丸ごと受け入れてくれる存在は、私にはもう無い。
足もとの地面が何も無くなってしまったようなかんじ。
母が旅立ったなんて、ずっと誰かに言う事すら怖かった。現実になってしまいそうで…。信じないで生きていきたい…。
けれど、悲しい事、嬉しい事があった時、電話をかけそうになって、ああ、そうか、居ないんだ、と気付く。
どこに行っちゃったの?なぜ姿を見せてくれないの?

どこかで、自分の身だけにはこんな事起きないような気がしていた。
そんな筈はないのだけれど。

こういう悲しさを抱えて、人は生きていくのか…。
きっと私の経験した事の無いような辛さを抱えて生きている人が、沢山居るのだろう。

悲しければかなしいほど、愛に溢れていたい。
淋しければ淋しいほど、豊かな心で満ちていたい。
母がたくさんわたしにくれたもの、ひとつひとつこれから噛みしめていこう。
私を愛してくれている人たちを、うんと愛して生きたい。
いつの日か、神が私を召されるその時まで。