旧正月

国中が真っ白くなってしまうんじゃないか、と思うほどの凄い数の爆竹の煙と音と火薬の匂いで、上海の旧正月(2/9)は明ける。
アパートのベランダの煙の海の中で、長い棒の先に付けた1メートルもあろうかと思われる爆竹を、私も一緒に鳴らした。
「新年好!」「新年好!」あちこちで声の限りに呼びかけ合う。
思いもかけぬ感動の涙が溢れそうになった。

最近特に、日本で迎える新年に対して感動が薄れていた。
昔のように家族で改まって集まるわけでもなく、まあ、強いて言えば大晦日のセッション位しか年越しを実感するものが無いかな。
だから20数人も家族が集い、国を挙げて新年を祝う、というのがとても新鮮だった。
「如意吉祥」「年々進實」等と書かれた真っ赤なお札が町中で売られている。
道端の凍った水溜りを踏んで歩く子供達の頬は元気そうに赤く、露天の野菜は青々と瑞々しく、躍動感に満ちた上海の街。
新しい年の始まり。喜びに輝いている人々の顔、顔、顔。
生きている!っていう実感に溢れている上海。再見!