「綾」を想う

デッキの揺り椅子にユラユラ揺られながら目を閉じていると、何とも言えずいい香りの風・・・。
新緑の山に、白くて小さいみかんの花が溢れるように咲いているからだ。
何度も大きく息を吸う。ずっとこの香りに包まれていたい…。
何種類もの鳥の鳴き声が、言葉を話しているように聞こえる。
人も車も来ない、太陽の光が踊っている…。「綾」はこの世の別天地。

東京に戻り、狭い空を見上げながら、あんな生き方もあるんだなぁ…と、
何だか遠い記憶のように「綾」を想う。