10月の空に

世界がどんなに大変な事になっていても、
毎日、朝がやって来ると目が覚めて、
目が覚めるとお腹が空いて、ご飯を食べると元気が湧いて、
元気が湧いたら(湧かなくてもやっぱり)今日も一日仕事をして、
集金のお兄さんや、八百屋のおばちゃんや、
お隣りの幼稚園児や、売店のおねえさんや、
お地蔵様や、花や、犬や、鳥や、石や、メダカや、雲と出会い
心を通わせ、分かち合って、
笑ったり、怒ったり、
希望で一杯になったり、
悲しみで打ちのめされたりして、
信じて、祈って、歌って…、
そして一日は、暮れてゆく。

夏が過ぎ、秋が過ぎ、冬が過ぎ、
春がまたやって来て、
季節は幾度も幾度もめぐり、
そして世界がどんなに平和でも
誰もが、いつしか命を終えてゆくのだ。

出会ったもの全てがいとおしいと
しみじみ思う。