燃える手

私と高田みどりさんの演奏予定曲目「線?」を、初演者の中村功さんが演奏するというので、二人で御茶ノ水まで出掛ける。
作曲者の細川俊夫さんは、残念ながらヨーロッパに行っていてお会いできなかったのだが、アットホームな会場で、至近距離でこの曲を聴けた事はとてもよかった。

また、岡本太郎さんの作品である「燃える手」の真っ赤なローソクに灯されたゆらゆらと揺れる灯りを見ながら聴く彼の作品の「鐘」を叩く即興演奏は、私にはまるで、岡本太郎さんを大好きだった、親友の村上ユミ子の鎮魂のように思えてならなかった。

ユミちゃんの「燃える手」は、幾つもの曲を残し、ピアノ演奏を残し、絵とパッチワークと和紙の作品を残した。
ピアニストのわりには小さな手だったユミちゃん。
でも多くの人にその手が与えたものは、とても大きかったと思う。

彼女が居なくなって2度目の9月を迎えようとしている…。