TAIWAN

久々のプライベート旅行。アジアの台所、TAIWANへ旅立つ。
台北のホテルの15階。
程よいエアコンの効いた部屋で、熱いジャスミンティーを飲む。
日本はもうすっかり秋を迎えたと言うのに、ここは真夏の太陽がレース越しに差し込んでいる。
窓を開けてみると、モワーッと暑い空気と街の喧騒が部屋に流れてくる。
様々な香料の匂い…。私はこの空気感がとても好きだ。

昼間、淡水という所まで足を延ばして見る。のどかな水辺の街だ。
老街、という通りで肉そばを食べる。隣りに座っているおばちゃんが人なつこい笑顔を向けてくれる。
おばちゃんの足元で寝そべっている犬も、のどかな顔をしている。
連絡船で「八里」という島に渡る。たまごやのおじちゃんが、茹でたての塩卵を美味しいから食べてみろ、と
幾つもいくつも割って食べさせてくれる。
美味しい!…17個100元(約400円)だというので、つい買ってしまう。
塩卵は黄身しか食べられないので、そうお腹が一杯になってしまう訳ではないが、カロリーかなりオーバーだなぁ、
と思いつつ、港でビールを買って、また3個食べてしまう。

空は真っ青。静かな水打ち際。木陰の風はそよそよと吹き渡る。
ビールでほろ酔い気分の私とC子は、仕事もパソコンもケータイも無縁の人になっている。
時間が、ゆっくり過ぎてゆく…。

暗くなって来ると、道の両側いっぱいに夜店が並ぶ「夜市」があちこちに出る。
「士林」駅の近くの世市に行って見る事にする。
殆んど毎日こういった屋台が、台北だけでも5、6箇所出るのだという。
いいなぁ。毎日がお祭りじゃん!

イカ香味焼き、サトイモと肉の饅頭、スイカジュース、名前も知らない不思議な果物のカットしてあるもの、鳥の手羽の揚げた物、エビ巻き揚げ、ワンタン、もち米のおこわ…。
絶妙な味付け。新鮮な材料。土地の空気。人々の笑顔…。何でも美味しいはずだ。

段々日常が…遠くなってゆく。

ショーウィンドウに写った自分の姿は、台北の女性みたい。
あ、誰かが近づいて来た。「癇○劉▽姜∞壕@∵璽%…?」
こっちの人に道聞かれちゃった。

―つづく―