教え子

心と体を患った昔の教え子から、やっと元気になって仕事をしています、という手紙が来た。
精神的にきつくなると気を失って倒れてしまい、病院通いに明け暮れ、薬が手放せなかった彼女。
今は何にも頼らず、きちんとした暮らしをしているらしい。
遠く東京から離れた土地で、彼女は何を想い、何を見つけたのだろう。
病気のおかげで強く、優しくなれたという。
近くに居た時何もして上げられなかった事を恨みもせず、先生の事を想わない日は一日も無い、と言ってくれる。
自分の体の事で精一杯の今の私には、心が痛む言葉だった。
会っていっぱい話しがしたいから、一生懸命働いて東京に来るお金を貯める、と言う。
ひとまわり大きくなった彼女の笑顔はどんなだろう。