ヤラレタ〜!その壱

フシギな出会いって、ある…。私が始めて中学生の時バンド組んだとき、なぜか気に入った曲があった。
その曲は「目を閉じて」。甘く美しいワルツの曲。
ライブが終る時、いつもエンディング・テーマにその美しいワルツの曲を歌っていたっけ。誰の曲とも知らずに。
大人になって、「中村八大」という人と仕事をするようになり、渡された譜面を見て驚いた。それは「目を閉じて」。
えっ!?と思った…。八大さんの曲だったの!?
それから彼が亡くなるまで一緒に演奏活動をする事になるのだが、私がずっと好きだった曲は、私が生涯縁のある人の曲だったのだ。
そして、もうひとつ。中学に入って初めて手にした楽器、それは従兄弟の捨てた壊れたエレキ・ギター。
アンプ、なんていうものがこの世にあるなんて事も知らない頃、母が弾いていたウクレレに二本弦が多いだけだ。簡単、簡単、と始めた楽器。譜面もコードもモチロン解らない。
で、当時耳にした、聴いた事の無いサウンド、メジャーセブンの(なんて単語も知らなかった)フシギな響き。いっぺんで魅せられたその曲は「白い波」。ユキとヒデ、というユニットが歌っていたっけ。その曲が弾きたくて、鳴らない(当たり前!)ギターに耳をくっつけて必至に練習して、何とか弾けるようになった喜び!
その話を、大人になって共演するようになったパーカッションの富樫雅彦さんのおうちに遊びに伺った時話したら、富樫さん嬉しそうな顔になり、フフフ、と聴かせてくれたレコードが「白い波」えっ!ドラム・富樫雅彦。サックス渡辺貞夫。僕がやってたんだよー。だって!そうだったの〜!全てはちゃんと繋がっているのね。
神様は一人の人をこの世に送り込んだ時点で、コンピューターのように正確にその人に必要なもの全てを組み込んでいるのかも知れない。