エアジンという店@横浜

ザックリ編んだツイードコートのような、センスのいいイギリスのチェックのシャツような、形容は変だけど、横浜という所は、何故か私はそういうイメージがある。
東京からほんの30分なのに、東京には無いものがある気がする横浜。
東京がアメリカなら、横浜はイギリス、かな。まあ、私だけの勝手な思い込みだけど。
子供の頃、祖父に連れられて、初めてホテルのフルコースを食べたのも横浜ニューグランドだったし、元町のKENTでチェックのシャツを誂えたりしていたのを見ていたせいかもしれない。

エアジンはその中にあって、骨太なJAZZ(固定観念の、じゃなくね)を中心に聴ける店。
オーナーの梅本さんの音楽に対する熱い思いが、妥協せず良いものを提供する、という一貫した主旨としてお店のカラーになっているのだ。
私がまだ自分のバンドを初めて組み、試行錯誤していた頃、名も無い(今だってないけど)私の音楽を信用して出演させてくれ、バースデーも覚えていてくれ、お客さんの少なかった(今も少ないけど、アハハ…。)終演後ジャジャーン、なんてロウソクに灯をともしたケーキを持ってきてくれて、嬉しくて泣いちゃった事もある。

そんなエアジンで、親友のユミコさんの3回目の命日の演奏を、しかも『シナプス』で出来たなんて、とっても嬉しい。
小雨がパラパラ降って来て、駅から店に着くまでに濡れてしまったけど、深く納得のいくいい演奏だったと思う。
心静かに、しかも思う存分音楽出来たと思った。シアワセ…。
(でも、やっぱり、お客さんは少ないんだよなー。)

10/10、ジャズプロムナードの日、エアジンは独立したプロムナードを行う。
売れてるから、とか、お客が入りそうだから、とかいう理由でミュージシャンを選ばないで。
この日、Guerino Mazzola(P) とHeinz Geisser(Perc)というミュージシャンがスイスからやって来る。私達と音楽が近いということで、このDuo+シナプスで、というステージを梅本さんが組んでくれたのだ。

ちょっと遠いかも知れないけど、でも東京からJRで関内で降りれば3分だし、多くの人に聴いてもらいたいと思う。

横浜は、母が生前とても愛し、長く暮らした土地でもある。10月、今から楽しみだな。