小春日和

風は冷たいけれど、窓を閉めた部屋の中はストーブが要らないくらい暖かい。
ほんの少し、春が近づいて来たのかな。
木の枠の窓ガラスがカタカタ鳴っていた、子供の頃の居間が懐かしい。
隙間風が冷たくて、スポンジが付いたセロテープみたいなのを枠に沿って張っていたっけ。

冬は、もっともっと寒かった気がする。夏はもっともっと暑かった気もする。
炬燵で母と食べた蜜柑の香りと、ちょっと荒れた母の手の温かさが恋しい。