10数年振りの奇跡

10数年前のある日。市川の小さなライブハウス「りぶる」で
その頃共演し始めた鬼怒無月とのDUOライブがあった。
まだ20代後半の、バリバリ、ロック少年の鬼怒無月と、「プログレ」なんていう単語も知らないJAZZだけやっていた私、という取り合わせは、今でこそ違和感はないが、その頃はかなり実験的だったな、と、今になって思う。

セッティングをしていた時、ギターケースを持って、ドアを開けて入って来た人が居た。
ヒョロッとした風貌。加藤崇之だ。
「あれ?間違えて来ちゃったかな?」と加藤。
「折角だから、じゃあ一緒にやりません?」と鬼怒。
こうして、三人の初顔合わせステージは始まった。

素晴らしい演奏!二人とも全く違うのに、どちらも大好きな音楽だった。
それから間もなく、鬼怒無月は私のリーダー作「Fairys fable」を初プロデュース。そして誘われて、「ボンデージフルーツ」のメンバーにもなり、2年以上在籍。

あの日を境に、加藤とも共演する事が多くなって来、数年後、遂にシナプスを結成。
TBMから二人のリーダーアルバム「SYNAPSE」もリリース。
2006年はフランスのJAZZ祭にも呼ばれる程、シナプスも定着。

あれから長い月日が経ったのだな。と思う。
久々に会った鬼怒無月も、もう40歳…か。

先日吉祥寺で、バイオリンの喜多直樹(vln)の新しいアルバムのレコーディングがあった。
私は林正樹(P)と参加したのだが、曲をもうひとつ増やしたい、と喜多が急遽作ったものが数日前出来上がり、私と、喜多さん、そしてもう1人は鬼怒さん、というメンバーで、今日の昼間録音して来たのだ。

で、終わって「今日誰とどこ?」と鬼怒無月
「市川りぶるシナプス。遊びに来る?」と私。
「行っちゃおうかな」という事になって、今日は10数年前の逆バージョン。

加藤と私のステージに、鬼怒が飛び入る。

楽しかった…。文句なしに楽しかった!
大好きな、この世で一番縁の深い二人の偉大なるギタリストとのステージは、それはそれは身も心もとろける様な至福…。

2005年最後のライブが、こんな自分にとって意味の深いものになるなんて…♪
神様、あなたもかなり、イタズラ好きですね〜!
嬉しいプレゼントもらった気分!!!