「凶暴なるケージ」

今月の13日に久々にジョン・ケージの作品を演奏する。
以前、四谷の「P-3」でやったのは1993年だから、15年前振りという事になる。
今回は50〜70年代の作品に焦点をあてており、異なるバックグラウンドを持つ演奏者が
異なった技法でケージにアプローチする、というのが主旨。
メンバーは足立智美、今井和雄、バリトン歌手の松平敬、それに私という四人。

ケージというと初期あるいは後期の静謐な作品をロマンチックに演奏したり、
ミニマリズムの美学のうちに修めようとする傾向があるのだが、今回は当時の
ケージやテューダの録音に残っている演奏に見られるような挑発的な演奏を目的としており、
それに相応しいと思われるメンバーが選出されている。
演目は「62Mesostics Re Merce Cunningham」から、チャンス・オペレーションによって
選出された作品が声を使う三人で各々約20曲づつ。
それに「Variation 2」が全員で演奏されることになっている。

ケージの「ユーロペラ5」の日本初演を手がけ「ときめきのゆいぶつろん」の執筆、等で
幅広い領域で活動する足立。
現在、斉藤徹とのDUO、井野信義、茅野秀一らとオプトロンを継続している今井。
去年「シュピラール」の演奏で「シュトックハウゼン賞」を獲得し、ケージの作品に造詣の深い松平。
と、共演者たちも非常に興味深い。