【CONFEITO】…金平糖

子供の頃、欲しい物があれば、お誕生日かクリスマスまでガマンして親にねだるのが普通だった。
きっとどの家も似たりよったりだったんじゃないかしら。
テレビゲームもパソコンもCDもなく、布の端切れで小さな袋を縫ったり、
一人で何時間でもビーズや刺繍や本を読み、友達とはお人形さんごっこでよく遊んだ気がする。

中学に入った頃、親にねだって買ってもらった物が幾つかある。
ヘアードライヤーとギターと自分専用のレコードプレーヤー。
家にはドライヤーが無かったのかな?親はどうやって髪を乾かしていたんだろう。
ギターはヤイリの手工品のガット。これはうれしかった。
プレーヤーは、当時大好きだった「ゲッツ・ジルベルト」や「セルメン」を自分の部屋で聴きたくて。

今の若い子はピック・アップを知らないのでビックリしたが、ピック・アップをレコードに落とす時の
何ともいえないワクワク感は忘れられないなぁ。
譜面も辞書も持って無かったから、ただただ何度でも聴いて、意味も分からず口ずさんでいたっけ。
でもなぜそんなに好きだったボサノバに行かず、ジャズに私は行ったのだろう。
恐らく身近にあったというのが一番の理由だと思う(親戚が演奏していた)。

2年前にふらりと一ヶ月ブラジルに行った。やっぱり自分はボサノバが好きなんだと再確認した。
それを機に勉強を始めた。少しずつボサノバのレパートリーも増え、歌う場所も増えた。
そうして知り合った色んな素晴らしいミュージシャン達。
助川太郎さん、土居徳浩さんともごく最近。あっという間に気が合った。
いわゆるボサノバ、っていうのじゃない自分のやり方でのボサノバ世界が彼らとリンクした。
気が付いたら太郎ちゃんのCDをレコーディングしたスタジオで録音しようという話が持ち上がり、
録音してみたらこれがすごく良くて、リリースという事になった。
ユニット名も決まった。【CONFEITO】…(金平糖ポルトガル語)←可愛いでしょ♪

物事に勢いがあるのは、それが命を持っている証拠。
彼らとのCDはきっと素晴らしいものになる確信がある。
明日から最終ミックスダウンに入る。楽しみでたまらない。出来上がったら是非聴いて下さいね。