5歳のインプロバイザー

筝の澤井一恵さんを初めて聴いた時、あまりの素晴らしさに
なぜか笑いがこみ上げて、楽屋で椅子から落ちて、転げ回っちゃったっけ。

赤ちゃんみたいだったんだもの。
そこまで「無」になれる大人って、そう居ないんだもの。
その日のうちに、私は彼女にラブコールして、数ヶ月後に初共演した時は感動だったなぁ。
それから事あるごとにご一緒させて頂いている。

去年あるライブに、そこにいた小さな女の子が、フッと自然に即興に溶け込んで来た事があった。
4歳だという彼女は、音の立ち上がり、タイミング、が実に的を得ていて、
正直びっくりした。なぜかその時、澤井さんをふと思い出した。

先日の「さがゆき即興ワークショップ」には、5歳になっていた彼女が参加してくれた。
その大人たちにもひけを取らない目はすでにインプロバイザーのものだった。

明日は彼女の、晴れのステージだ。
5歳の子供と一緒にやる、という意識は持たずに臨もうと思っている。