インド紀行その3

インドから帰って来て、早くも3週間が経とうとしている。

不思議な事に、日が経てば経つほど、記憶が鮮明になる。
そして、本当に書きたい事、言いたい事が、ちっとも言葉として出て来ない事に
驚かされる。

受けたものがあまりに大きいから…。
もらったものが、あまりに多いから…。

行ってよかった、とか、悪かったとか言う以前に、ショックから実はまだ立ち直って居ない、というのが正直なところかもしれない。

安易に、よかった、なんて言えない気がしている。
今まで経験した事の無い現実が、体の中にしっかり根をおろして、日本で平和に暮らす私の脳を、時々直撃する。
家や仕事場に居ても、ここが何処なのか、何故自分はここに居るのか、ヘンな感じがするのだ。

今までの旅とは、何かが違う。
想い出すのがただの懐かしさじゃない。
ただの楽しさでも、辛さでもない。
もっと、ハラワタにキュッ!と来るような感覚。
痛みを伴なったような…。

わーっと、こうだった、ああだった、って話せるのって、もしかしたら半年とか、一年とかしてからなのかも知れない。
自分なりの消化の仕方を、今探しているのかも知れない。