花岡事件鎮魂慰霊祭

音楽やっててよかった、って思える事…。
勿論いっぱいあるけれど、秋田県で行われた「花岡事件鎮魂慰霊祭」は音楽やっててよかった!と強く思えた一日だった。

鼓の正ちゃんこと大倉正之助率いる9人のメンバー、(大倉正之助、金大煥、金大偉、ラティール・スー、私、地元の邦楽器3人)による鎮魂の意味を込めたコンサート。
それぞれの思いが音になり、音は大きな輪になり、輪は会場全体を包み込む。
会場が優しさでいっぱいになる。
観客のなかには涙する人の姿も…。

故意に、または無意識に、人は人を傷つけて生きている。
自分が存続するには仕方ない事もあるけれど、(他の命を頂いて生きている、とか)その痛み、思いを、「音楽」を通して少しでも昇華する事が出来たら…。
傷ついた魂が少しでも安らいでくれたら、音楽をやっていてこんな嬉しい事は無い。

何かの役に立ちたい。そう思い始めたのは、15年位前からかな…。

若い頃は、ただ上手くなりたかった。
出来る事をひけらかしたい時期もあった。
あることをきっかけに、私の中で何かが変った。
分かち合う事、役に立てる事、喜んでもらう事、必要とされる事…、
そういう事の喜びが、本当に大きい事を、それまで知らなかったんだ、と思った。

与えようとすると、逆にものすごく与えられる。
奪おうとすると、何も残らない。
こんなシンプルな真理が、若い頃って見えないんだね。

満ち足りた気持ちで帰途に着く。
ボロボロに疲れていても、こういう仕事の後は体が軽いんだ!