月食

仕事帰りに空を見上げると、月が出ていた。
下弦の月
あれ、変だなぁ?昨日ほぼ満月じゃなかったっけ?
急に半月になるって…?

家に着いたら母から電話。
「今日は月食よ。」
ああ、そうだったの!それで納得!
朝、新聞読まなかったから気が付かなかったなぁ。

改めて、冷たいムギ茶を持ってベランダにイスを出す。
今、太陽は地球の陰に居て、月は影を映し出している…。
何て壮大な天体ショーなんだろう。
フシギだな。
私はこの蒼い星で、日本という国で、狭いベランダで、
星達のドラマをぽつんと見ている。
ただ、見ている。

月を見ていると、色々な事が想い出される。
去年、親友を亡くして、一晩中月を見ていたっけ。
早いなぁ。あれからもう1年経ってしまったんだ。

生きとし行ける者はみないとおしい。
そう思えるまでに、何年の月日を要しただろうか…。
今、嫌いな人が誰も居ない、という自分の環境に感謝するのみだ。

月は雲から顔を出したり、隠れたりしながら、西の空に帰って行く。
おやすみ。
また明日、新しい顔を見せてね。