アンニョンハセヨ!…24日

言葉って一体何なんだろう、って時々思う。
言葉が通じる、という事。言葉に乗せて、本当に気持ちが伝わる、という事。

朝ホテルに迎えに来てくれたカンさんに、知恵を絞って書いたカードを渡す。
「プロミス」というタイトル。内容は「今後一切、さがゆきの友達におごらない事を誓います」というもの。
余りにも良くしてくれるので心苦しすぎて、やっと考えた苦肉のアイデアなのだが、受け取ったカンさんは大笑い。突飛な私の行動はただ馬鹿受けして、カードはカンさんのポケットに納まるのみ。えー、ちゃんと約束してくれなきゃ、今すぐ日本に帰っちゃうよ!二度と歌わないよ!と脅かしつけ、やっと承諾してもらう。

高速バスで3時間半、ワールドカップの開催される土地、長州(チョンジュ)へ。
車中、ありとあらゆる話をする。
日本語は全くダメなカンさんと、韓国語は全くダメな私と。
それでも伝わる。お互いの拙い英語だけで、全てパーフェクトに心は届く。
言葉のフシギ。心のフシギ。魂の会話ってあるんだ。

ここは多くの美術家、芸術家たちの住む町。いたる所にオブジェや絵画がある。
今日のコンサートは長州病院というところのホール。
ただの病院ではない。玄関を入ってまずビックリ。書、絵画、骨董美術品・・・があらゆる所に展示してある。階段にもことごとくオブジェ、絵があり、ここはトータルで人を本当に癒す病院なんだと分かる。
演奏前は彫刻家や絵描きの人たちと病院食を有り難く頂き(なんでこんなものまで美味しいの?!)コンサートは始まる。オーディエンスはアーチストが殆ど。

まずは前座で、韓国伝統芸能の琴の演奏。なかなかディープだ。
次にカンさんと私のデュオ。カンさんはこの病院とは長い付き合いらしいが、始めての日本人の「声」を使った即興演奏とのデュオにみな驚いた様子。ゲストのパフォーマンスを交えての1時間半ステージは大受け。アンコールも終え、打ち上げへ。

近くのライブハウスでの打ち上げは異様なほどの盛り上がりよう。
カンさんは踊るわ。私はギター弾くわ。彫刻家の人はドラムを叩くわ…。

すっかりいい気分で戻る。
でも今日の宿は、なんと病院の入院患者用の一人部屋なのだ!点滴のスタンドもしっかりある部屋での一夜。ちょっとコワいなぁ…。
このベッドでたくさんの人が…。
まあ、でも酔っ払ってるから良く分からないか!