国際インプロ祭を終えて

まるで細胞膜の無い粘菌が集結したアメーバのように、相手との壁が無い音楽。
スイスのハインツ・ガイザーとは加藤崇之、ピアノのゲリーノ・マッツォーラらと
一昨年ダウンロードCDを制作したので気心は知れているのだが、初めて共演した
他のスイスから来日したミュージシャンたちの、これまた何と自由なこと。
一緒に演奏する相手にどんな僅かな溝も感じさせない。かと言って過剰な反応もしない。
ただそこに音楽があった。未知でありながら母の子宮に戻ったような。
遠い地で生まれ育ち、違う言葉で違う文化の中で生きて来たひとたちと、こうして音楽で
ひとつのアメーバになれる喜び。
世界インプロ祭を設立し、維持し続ける梅本さんに座布団千枚。