<潮先郁男>初リーダーアルバム

加藤崇之、津村和彦、横田明紀男(フライドプライド)、菅野義孝、宮崎信義、岩見淳三、柴内貴彦、竹中俊二、
並木健司、伊東忍(NYで活躍中)、日野雅司(浅草ジャズコンテスト2年連続金賞受賞)、加藤泉…etc、
潮先郁男さんに師事したギタリストは数え切れません。
というか、ほとんどのプロギタリストは、潮先さんを通って来ている、
と言っても過言ではないかもしれないのです。
こんなに気持ちよくスィングするジャズ・ギタリストは、今、日本で
潮先さんを置いて他には居ないんじゃないかしら。

実は今年の夏に、3度目の脳梗塞を起こして入院。一ヶ月で退院という
奇跡の復帰を遂げました。
その後も(今は都内に限るのですが)精力的に演奏活動をなさっています。
優しくて奥ゆかしいお人柄から想像も出来ないような、強靭な肉体と精神の持ち主です。

多くの偉大なミュージシャン達との共演を、何年も重ねて来た潮先さん。
こんな大ベテラン(と言われるのは嫌っている)に似つかわしくなく、
何とリーダーアルバムが一枚も無いと聞いて驚きました。
そんな潮先さんが、今、一番やりたいと燃えていることがあるのです。
20〜30年代のジャズとポップスが出会った頃の甘酸っぱい可愛らしい歌たち。

潮先さんが生まれて初めて、誰かのバックではなく、自分が好きなものを好きな人と
音を残したい、と強く思ったのは、渋谷毅さんと潮先さんと私との
WMA】での鹿児島ツアーの時の打ち上げ飲み屋だそうです。

「こんなの知ってる?」「じゃ、これは?」と、夜の更けるのも忘れて
次々ギターを弾いて聴かせてくれたっけ。
それは私の母が子供の頃によく家で口ずさんでいた、私にとっても懐かしい世界…。
私もすっかりそんな曲たちのとりこになってしまったのでした。

それから何度も潮先さんのおうちでリハーサルを重ね、ライブも重ね、
試行錯誤しつつ形が出来たのが、潮先郁男、加藤崇之、私、という三人との世界。
初めて三人で演奏した時のあの素晴らしさは忘れられません。
この三人の世界が一つに溶け合った時は…
ほんとにステキな奇跡が起きちゃうんです!

来年、芸暦60周年を迎えると言う潮先さん。
選曲も譜面もメンバー選びも、全て潮先さんによるもの。
11月18日(水)は入谷の「なってるハウス」で、
30年前に弟子だった加藤崇之の絵の個展と、
潮先さんの初めてのリーダーアルバムの、
ライブレコーディング、という喜びが重なる日です!